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音楽の力

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日本を襲った未曽有の災害、3.11より2週間余がたった。

地震、津波の後片付けは、不十分とはいえ、少しずつ進んでいるかに見える。

残念なのは、原発の方の見通しが立たないこと。

被災された方、また自衛隊を始め、災害救助活動に携わる方々、福島原発をなんとか安定させようと必死で活動している方々のご苦労を考えると、普通に暮らしている自分が申し訳ないように思う。

さりとて今の状態は、プロでなければ役に立たない。下手に近寄れば、かえって足手まといになってしまう。

節電を心がけ、ささやかながら募金をし、良く働き、日本経済を支えるために良く消費し、良く納税する。

今の私にはこれしかできない。

そんな中、今年からお仲間に入れていただいているグループで、ミニリサイタルがあった。

このグループは、“人前で演奏することを練習する会”。約100名余の音楽好きのアマチュア集団だ。

三か所の練習場所があり、それぞれ毎月一回開催。全部参加すれば、月三回、人前で弾くチャンスがある。とはいえ、多くの方は一か所に決め、月一回参加しているようである。

この練習を積み上げて、レパートリーを増やし、一時間のミニ・リサイタルを目指す方も。

震災からまだ10日の3月22日、ミニリサイタルが予定されていた。

グループは25年の歴史を誇り、阪神大震災をはじめ、電車のストライキ、大雪、台風など、さまざまな状況を乗り越え、開催してきたので、この日もミニ・リサイタルは開かれた。

演奏する方は、仕上げの時の災害で、さぞ落ち着かなかったことだろう。

計画停電中とはいえ、演奏を聴こうと50~60名が都心のホールに集まった。

プロではないが、なかなかのお腕前。この集団の強みは、誰しも演奏に演者の人生を感じさせること。

中盤を過ぎ、いよいよコンサートも佳境に入ろうという時、マナーモードにしていた携帯電話が、一斉になり出す。

緊急地震速報だ!

ほどなく揺れも感じる。

しかし、ピアノが鳴りやむことはない。聴いている人も、誰も立ち上がらない。

弾く、聴く。

不思議と恐怖心はない。音楽の力と言うべきか。

大地震以来、日本中が、いや世界が、破壊された町の姿に驚き、亡くなった方の無念と、被災された方々の苦しみ・悲しみを思い、涙してきた。

その方々に心を添わせ、悲しみを分かち合い、エールを送り・・・。

被災を免れた人々も、すっかり疲れてしまった。

ほんのひと時だったが、人々が集い、ともに演奏を楽しむことで癒され、縮んだ心が潤った。

さあ、また歩き出そう。この災害から立ち直るには、おそらく10年単位の時間が、いくつか必要だ。

その間、私たちはしっかり働き、納税という形で、被災地を支えなければいけない。

★ ★ ★ ★ ★

多くのミュージシャンが、被災された方々を励まそうと、コンサートをしているようだ。

このような時、どんな言葉をかけたらいいのか?良かれと思う言葉が、人を傷つけてしまうこともある。

元気出せ!というより、静かな心にしみる音を、リラックスできる音を、お届けしたいと思う。

少し、力を抜いて、一呼吸。今はそんな時期なのでは。

「音楽は人を救う」と信じている。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。お元気で過ごしていらっしゃったようで、
本当に良かった…。余震に停電、放射能の三重苦で、
少し心身の調子が良くないという東京の知り合いが多いので。
札幌は一部で、売り水などが不足しているようですが、
それ以外は眼に見える地震の影響はありません。
連日ニュースで流れる惨状に心が傷みますが、なるべく、
普通に暮らすことを心がけ、微力でも経済活動をすることで、
かの地の人々の助けになればと思っています。

音楽は人の心を癒し、力づける神様からの贈り物…と、思います。
きっと、このたびの震災で傷めた心にも、最高の力水となることでしょう。

投稿: MORIHANA | 2011年3月29日 (火) 15時46分

MORIHANAさん、コメントありがとうございます。ご近所迷惑を顧みず、毎日ピアノを弾いています。心のよりどころを求めて。

福島原発の問題さえなければ、被災者のお苦しみも少しは違ったと思います。全精力で被災者の救援にあたらねばならぬのに、力がそがれているようです。

世界中の技術者が支援してくれていると思うのですが、それでも上手くいかない。こんなに扱いが難しい物の導入を、やすやすと許してしまった自分が腹立たしいです。

マスメディアの報道が正しいなら、それほど心配いらないのですが…。私はもういい加減の年ですから、何が起きても仕方ありません。お若い方たちに放射能の影響がでませんよう、祈るばかりです。

投稿: anan | 2011年3月29日 (火) 20時36分

震災の被害は痛切ですが、
その上にとてつもない重しがのしかかってきました。
3.11を境に音楽の意味も響きも、変わるかもしれません。
それでも「音楽は人を救う」、その力を信じていきたいものです。

投稿: eguchi | 2011年3月30日 (水) 19時26分

もうすぐ震災から1カ月。いっこうに道筋の見えない原発問題には言葉がありません。少しずつ日常が戻ってきた東京で、まずは自分の心の平安を保つことが大事と、仕事の合間に、ピアノを弾いたり、テニスをしたり、皇居ランをしたり、日々の営みを粛々と続けるべく努力しています。集まった人々は、暗い照明のもと、情報交換と友情の再確認をしているようです。被災地と度合いは違えど、ここ東京も、人と人の距離は縮んで、いたわりあっています。

投稿: anan | 2011年4月 4日 (月) 17時06分

そうですね。ただ、元気を出せ、とか頑張れって言われてもねぇ。静かに応援するということもあってもいいと思いますが…

投稿: gillman | 2011年4月 8日 (金) 16時59分

gillmanさん、お越しくださりありがとうございます。
被災地の方々を考えると情けないのですが、なんとなく前に進む気持ちが萎えてしまい、ブログ更新もコメント返しも遅れています。ごめんなさい。
思っていることは口に出せといいますが、こういう状況での自分の思いを、どう表現したらいいのか、立ち止まってしまいます。

投稿: anan | 2011年5月 6日 (金) 22時25分

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