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本邦初演 B.A.ツィンマーマン 「ある詩人のためのレクイエム」@サントリーホール 2015年8月23日

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声楽の先生のつながりで、標記のコンサートを知り、急ぎ予約を。

この試みに関する説明はこちらから: http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20150823_M_2.html
  
その時点(7月29日)で、すでにほとんど空席なく、ようやく2席確保。

ツィンマーマンと聞けば、ピアニストしか知らないが、どうやらそうではないらしい。

現代音楽の作曲家で、難解な曲で有名な人だそうだ。

オペラ「軍人たち」(1963年初演決定)を完成させたあと、この作品に取り組み、書き上げた。

が、完成の翌年52歳で拳銃自殺を遂げる。この曲が本人のレクイレムとも解釈されるのは、そういうことだ。

普通のオーケストラと違い、ヴァイオリンとヴィオラを廃し、弦楽器はチェロとコントラバスのみ。

オルガンと2台のピアノ、多くの管楽器と打楽器を使い、さらに、ジャズ・コンポまで組み込み、驚くべきは、長大で複雑なテープ・コラージュ、すなわち様々な歴史に残る詩人、思想家たちのテキストの朗読、政治家、独裁者、宗教者たちの演説や、ワグナー、メシアン、ベートーヴェン、ビートルズなどの音楽の引用、などが音楽の一部として用いられている。

それに加えて、場内4カ所に別れた合唱団とソプラノとバスのソリスト、さらにナレーター2名が全体を司る。

友人の強い希望で、切符を入手したが、果たして理解できるか、不安な気持ちで出かけた。

生音だけでなく、スピーカーから流れる音もあるという。

20年以上前、体調を崩し、アンプ・スピーカーから流れる音がダメになった。

故にクラシックに転向した私が、最後まで聴けるだろうか?

しかも暑い日中、テニスを3セットしたあと。眠気に耐えられるか、それも心配。

最初にプロヂューサーの長木誠司氏と指揮者大野和士氏の、この作品に関するトークから始まる。

(恥ずかしながら、長木誠司氏も存じ上げない。)

お二人の素敵な声に、ここは眠る。ああ、本編寝ないで済むかだろうか???。

ところがところが、始まるやいなや、この音の世界に取り込まれてしまい、目パッチリ!!!

映画館のサラウンド効果さながら、サントリーホールの全体から音が私を包み込む。

アコースティックと、電子的な音との融合も上手にできている。

テーマはいとも簡単なのだ。Dona Nobis Pacem 平和を与え給え。

しかしそれがどれほど困難なことか、誰もが知っている。

シンプルで深い、このテーマ。力強く繰り返される。

その一方、これほど複雑なアンサンブルが破綻をきたさず、聞いている人すべてに、しっかりとそのテーマを伝えた。

演奏に携わった全員のレベルの高さが知れる。

大変刺激的で示唆に富んだ演奏会だった。

おそらく、わたしの人生の記憶に残るコンサート。

演奏された皆様に、深く感謝申し上げる。

素晴らしい演奏会をありがとう。

二日経った今、まだ思い出すと興奮してしまう。

★ ★ ★ ★ ★

最後にもう一言。

クラシックの音楽会に行っていつも思うこと。

あまりの年齢層の高さ。

このままではマーケットの下支えがない。

(ま、もちろん私も平均年齢をあげている一人とは思いますが…。)

それが今回、結構若い(といっても、30代、40代と思うが。)人たちがいたのだ。

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コメント

クラシックと言われると
身構えてしまう私ですが、
演奏している人たちは、若い人が多いですよね
若いうちから慣れ親しんでいる人達が、
下支えになると思います。
形式にとらわれない発表の場がたくさんあれば
いいかな?

投稿: 姉さん | 2015年8月26日 (水) 06時42分

★ 姉さん様、実際形式にとらわれない発表会は
いっぱいあります。ただその情報がなかなか
手元に届かない。
近所にあるピアノショールームに置かれているチラシに
結構面白いものあります。
またピアノや声楽のお友達が個人的にやっている
発表会も見逃せません。
素人、もしくは半分素人の演奏は、共感が持て、
時として、名の売れてる人のリサイタルより
興味深い時があります。
最近はまってます。

投稿: anan | 2015年8月26日 (水) 09時38分

声楽の方面にはとんと疎くて、このプロジェクトも全く知りませんでした。
ずいぶん周到に、思い入れをもって準備されたコンサートだったのですね。
サントリーホールのHPを読んでびっくりしました。
素敵な出会いをされて、よかったですね~。喝采!

投稿: PIO | 2015年8月26日 (水) 09時42分

★ はい、PIO様、素晴らしい出会いでした。
バリトンの大沼徹さんが声楽の先生と親しく、
そちらからの情報でした。
これほどとは、予想してなかったので、余計嬉しい。
この企画はおそらく持ち出し。
主催:サントリー芸術財団
協賛:サントリーホールディングス株式会社
助成:芸術文化振興基金
とあります。
これらの補助なしで、この大掛かりな演奏会は
無理と思います。
おそらく再演もなかなか、でしょう。
出会えてラッキー!でした。

投稿: anan | 2015年8月26日 (水) 09時56分

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